HACCP(ハサップ)制度・食品衛生管理のよくあるご質問
HACCP制度・食品衛生管理のよくあるご質問をまとめました。
解決しない場合は、お問い合わせフォームからHACCP先生にご相談ください。
INDEX-目次-
- Qモニタリングの頻度はどうやって決めたらいい?
- QHACCP(ハサップ)の妥当性確認と検証ってどう違うの?
- Q煮物や汁物もモニタリングや中心温度記録が必要?
- QHACCP(ハサップ)危害要因分析の際、前提条件プログラム(PRP)で管理するのか、CCPで管理するのか、どう判断したらいい?
- Qドライ厨房で床に水を流せないって言われたんですが、床は水洗いが必要?
- Q夏場の室温が30℃を超えてしまいます。HACCP(ハサップ)導入の際、室温はどうすればいい?
- Q冷却機器が無くHACCP(ハサップ)導入に困っています。夏場にポテトサラダなどの冷菜を提供しても大丈夫?
- Q蒸気による結露が酷く天井にカビが生えてきました。天井を張り替える・空調設備を増設するなどの対策をするようにとハサップ導入の指導を受けたのですがどうしたらいい?
- Qトイレ掃除って毎日必要? HACCP導入で清掃頻度を変更した方が良いですか?
- Q許容限界(CL:クリティカルリミット)と運転基準(OL:オペレーティングリミット)の違いは?
Qモニタリングの頻度はどうやって決めたらいい?
例えば、スチームコンベクションオーブンを使って加熱している場合、毎回、食品の投入温度や機器の加熱開始庫内温度が違ったり、室温が違ったりして毎回の条件が異なります。この場合は毎バッチのモニタリングが安心ですね。
逆にコンベア式の焼き物機で連続的に安定して加熱される場合は条件が同じなので、連続してモニタリングをする必要は無いかもしれません。その場合の頻度は機器の加熱のバラツキによると思います。機器が安定していれば最初と最後に流れた食品で良いと思います。バラついていれば1回/時の方が良いと思います。と、言うのも、もしモニタリングで許容限界に達していなかったら前回のモニタリングで安全が確認された以降に生産された製品が全部、是正措置の対象になり大変な作業と損失になります。もしもの場合を考えてモニタリングの頻度は決めて下さい。
QHACCP(ハサップ)の妥当性確認と検証ってどう違うの?
妥当性確認は許容限界・モニタリング方法・是正措置などの基準や方法を決める際に、正しい基準や方法を決める為に行う行為です。検証は逆にあなたが正しいと思って行っている許容限界・モニタリング方法・是正措置などの基準や方法が本当に正しいのかを確認する行為です。
例えば、加熱をCCPとしてモニタリングを行うとします。
許容限界を食品芯温度75℃1分以上とし、全ての製品の芯温を測る事が難しいので、モニタリングは加熱を行う油温と温度とします。となると、食品芯温が75℃1分以上になる油温と時間を実験などで決める必要があります。それが妥当性確認です。
逆に、妥当性確認の結果、油温180℃10分で食品芯温が75℃1分以上を確認し、モニタリングは湯温と時間で行っているが、これは正しい?何か条件が変わってしまっていないかなどを確認する為、油温180℃10分で製造された製品の温度を実際に測って75℃以上になっている事を確認する行為が検証です。
Q煮物や汁物もモニタリングや中心温度記録が必要?
必要ないかもしれませんね。例えば御飯は加熱が不足していれば御飯として提供出来ませんし、クッキーやパンも加熱が不足していたらクッキーにもパンにもなりません。
それと同様に、煮物も具材が『柔らかくなる』=『充分な加熱』であれば、モニタリングの必要はありません。
また、良く和え物の葉野菜を茹でますね。芯温が測れず、葉野菜を団子にしてみたり湯温を測っていたりするのを見かけます。必要無いですよね。
QHACCP(ハサップ)危害要因分析の際、前提条件プログラム(PRP)で管理するのか、CCPで管理するのか、どう判断したらいい?
よくご存じの『付けない!増やさない!やっつける!』で考えると良く解ります。
『付けない!』付けるのは人・食品・環境・器具です。付けない様に工場全体で予防します。
『増やさない』増えるのは温度と時間です。工場全体で食品の温度管理・室温管理などを行い増えない様に予防します。
『やっつける』これは、1つの工程だけを言いますよね。そして予防では無く、こちらからやっつけにいきます。(コントロール)
この工場全体、予防が前提条件プログラム(PRP)、1つの工程、コントロールがHACCPです。
前提条件プログラム(PRP)について詳しくはこちら
Qドライ厨房で床に水を流せないって言われたんですが、床は水洗いが必要?
ドライ厨房はキープドライ!作業中はドライをキープする事です。
作業終了後はしっかりと洗浄剤を使用して水洗いし、翌日の作業開始時には乾いている状態を言います。厨房は残菜だけでは無く、汁が垂れたり油が飛んだりしますので、洗浄剤を使用して水洗いしなければ、汚れは蓄積されて行き、床は真っ黒で油でねちゃねちゃになり菌の培養庫になってしまいます。
ただ、残念な事に『ドライ厨房=水を流さない』と勘違いして全く水を流せない厨房が多くあります。スチーム式の掃除機や、バキュームクリーナーなどで定期的に床を清掃して下さい。
Q夏場の室温が30℃を超えてしまいます。HACCP(ハサップ)導入の際、室温はどうすればいい?
実は、コーデックスでも室温は明確に書かれていません。書かれているのは食品の温度だけです。それぞれの国により環境も違いますし、室温をコントロールする事が難しい現場もあります。
肝心なのは食材の温度です。室温が高ければ室内に出来るだけ滞留する時間を短くするなどの工夫で衛生管理は行えます。
Q冷却機器が無くHACCP(ハサップ)導入に困っています。夏場にポテトサラダなどの冷菜を提供しても大丈夫?
一般の加熱調理では殺しきれない芽胞形成菌という病原微生物がいます。その病原菌は加熱で死なず、温度が下がり55℃~20℃の温度で増殖します。その時間に食品を長く滞留させない事が重要です。
その為、大量調理施設衛生管理マニュアル(厚生労働省)では温菜は65℃以上、冷菜は10℃以下まで急速に冷却し2時間以内に喫食するというガイドラインを出しています。
また、飲食店向けのHACCP手引書には、バットに薄く入れて冷蔵庫で出来るだけ早く温度を下げ、提供まで冷蔵庫で保管するなどの対応が書かれています。先ずはポテトサラダの温度を測ってみて下さい。2時間を超えて20℃以下まで下がっていなければ危険です。HACCPでは安全を保障出来ない物は提供しないが鉄則です。
Q蒸気による結露が酷く天井にカビが生えてきました。天井を張り替える・空調設備を増設するなどの対策をするようにとハサップ導入の指導を受けたのですがどうしたらいい?
カビは大量に繁殖すると発がん作用のあるカビ毒を発生させ、カビ毒は毒なので加熱では殺菌出来ません。食品の上にカビが生え、結露により水滴と一緒に落下し食品を汚染したら事故になる可能性がありますので、食品を取り扱う場所の上のカビ・結露は危険です。空調を夜間も点けっぱなしにするなどの対策をとっても駄目なら、食品を取り扱う部分の天井を拭く、カバーをするなどの対策が必要です。
HACCPはあなた自信が危害要因に対してどの様に管理したら危害にしなくて済むかという事で、方法は1つではありません。
Qトイレ掃除って毎日必要? HACCP導入で清掃頻度を変更した方が良いですか?
工場や厨房の床は毎日掃除しますか?床に落ちた食品もトイレに排泄された物も汚染物であり病原微生物やウィルスがいっぱい付いています。微生物はどんどん増殖し、ウィルスはどんどん感染しますよね。少しの病原微生物が広がり大きな食中毒事故を起こします。毎日清掃する事をお勧め致します。
Q許容限界(CL:クリティカルリミット)と運転基準(OL:オペレーティングリミット)の違いは?
許容限界(CL)は管理基準とも言われています。管理基準(CL)と運転基準(OL)の方が分かり易いですね。
管理基準(CL)は安全と安全でない物を分ける境目・ラインで、ここをクリアしないと安全で無くなる可能性がある境目です。
例えば、食品芯温75℃1分以上が管理基準だとします。社内実験(妥当性確認)で、『75℃1分以上の加熱=湯温180℃10分の加熱』となったとします。
実際の製造時の加熱設定を湯温180℃10分の加熱としてしまったらどうなるでしょう。
食材の投入温度、機器の庫内温度、室温、少しの大きさの違いなど様々な条件で75℃1分以上に達しない可能性があります。
そこで振れ幅を考えて、全ての食材が管理基準(CL)をクリアする様に余裕を持った加熱設定します。例えば、180℃12分など、それが運転基準(OL)です。
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引用: アース環境サービス株式会社
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害虫駆除や清掃など環境衛生を専門とする企業。「総合環境衛生管理」を理念とし、食品工場から一般家庭まで幅広くサポート。衛生環境の診断から総合的な支援の仕組みを構築しており、特に環境衛生が重要な小規模事業者にお勧めです。
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引用: 東邦電気工事株式会社
東邦電気工事株式会社
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創実ファシリティーズ
長年、食品製造施設で培ったノウハウをもとにHACCPハードプランのコンサルティング・レイアウト設計・施工業務は看板業務として、民間認証取得サポートなどのソフト面のサポートも積極的に行っています。大型食品加工事業者にお勧めです。